【嘘だろ?】FX自動売買で勝てる本物のEAなど存在しない【正論】

FX自動売買
勝てる本物のEAを探している人「FX自動売買を始めました。勝てる本物の優秀なEAを探しています。ガチで探しています。必ずあるはずなので、どなたか教えてもらうことはできないでしょうか。よろしくお願いします。」

こういった疑問に答えます。

本記事の内容
  • FX自動売買で勝てる本物のEAなど存在しない
  • FX自動売買で勝てる本物のEAではなく”ポートフォリオ”運用を考えるべき
  • FX自動売買は『個人競技』ではなく『チームスポーツ』

この記事を書いている筆者は、2007年から投資をはじめ、現在は投資収益のみで海外ノマド生活中。取引手法は自動売買をメインに行い、EAは長期稼働できるものを厳選して使っています。

こういった背景から、”FX自動売買で勝てる本物のEA”についてお話しします。

FX自動売買で勝てる本物のEAなど存在しない

投資歴10年以上のトレーダーに聞いてみれば分かるはず。
『勝ち続けるEA』など”ほぼ”ありません。

じゃあ、勝てるEAとは何か?
それは、初心者の思い込みです。

勝てるEAとはただの思い込みである

次の2つのうち、利益が出るEAはどちらだと思いますか。

損益チャートA

損益チャートB

答えは、この2つは同じEAで、稼働期間が違うだけです。

A:2020年1月から12月までの1年間
B:2020年1月のみの1か月

おそらく『B』を選んだ人が多かったのではないでしょうか。『B』を選んでしまう理由には、以下のような先入観があります。

初心者が思う、FX自動売買で『勝てる』EAとは
  • 勝てるEA:短期間で利益が出る
  • 勝てないEA:短期間で利益が出ない
初心者が思う、FX自動売買で勝てる『本物』のEAとは
  • 本物のEA:短期間で利益が出る
  • 偽物のEA:短期間で利益が出ない

では、なぜ『勝てる本物のEA』などという言葉が独り歩きするのでしょうか。
原因はEAを作る側の考え方を見ればわかります。

EAの成績を盛っている?

ハロー効果
ハロー効果(ハローこうか、英語: halo effect)とは社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。光背効果、ハローエラーともいう。

引用元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

EAの販売サイトの成績を見ていると、良いものが多いですよね。
もし、この成績が本物ならば、みんな大儲けしている。
そうでないなら、この成績はウソになる。

どっちなのでしょう?

正解は「半分ホントで半分ウソ」。理由はEAを自分で作ってみるとわかります。

とあるEA開発者の頭の中
「よし、EAができたぞ。ついに公開だ!」
「成績は6か月で利回り10%ほど、損失も抑えられている。オレ、天才かも!」

そして、公開後3か月経過、、、

「利回りは5%ほど、月利回りでも1%以上堅実に儲けている。」
「どのくらいの人が、使っているのか見てみよう。」

現在の利用者数は0人です、、、

これが現実です。
これを見たEA開発者は、設定を修正して利回りは高くなるが、リスクも高くなるロボットを公開するようになります。そして成績の良いEAばかりになっていく。

EAの利用者が「ハロー効果」の影響で短期的に成績の良いものを選ぶため、ロボット開発者も見栄えの良いEAを多く公開するようになってしまう。こういった現象が起こります。

先ほどの「半分ホントで半分ウソ」を言い換えると、

短期的な利回りは高くなっているが、同時に口座破綻リスクも高くなっている。

こんな感じです。これが『勝てる本物のEA』の正体ですね。

『勝てる本物のEA』が、ただの思い込みならば、FX自動売買で勝つことは不可能なのでしょうか。考え方を変えれば、その答えは見えてきます。

FX自動売買で勝てる本物のEAではなく”ポートフォリオ”運用を考えるべき

『勝てる本物のEA』を追い求めることに意味がないのなら、具体的にどうしたらいいのでしょうか。ヒントは、投資の格言のなかにありました。

卵は一つのカゴに盛るな(たまごはひとつのかごにもるな)
分類:相場・格言・由来
株式相場の世界では、先人が、その経験を基にして、さまざまな格言を残している。卵は一つのカゴに盛るなも、そのうちの一つである。

卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむということ。

特定の商品だけに投資するのではなく、複数の商品に投資をして、リスクを分散させた方がよいという教え(=銘柄分散投資)。
引用元:卵は一つのカゴに盛るな|証券用語解説集|野村證券

株式投資で使われている考え方なのですが、FX自動売買にも当てはまります。複数のEAでトレードすることで、トータルでのリスクを小さくすることができる。大切なのことは、利益の最大化ではなく、リスクの最小化という点です。

1つのEAでFX自動売買するのではなく、複数のEAで利用して運用する。それでは、具体例を見ていきましょう。

28通貨ペアでポートフォリオ運用した成績

28通貨ペアでポートフォリオ運用した成績

28通貨ペア個別の成績

28通貨ペア個別の成績

1つのEAのみで運用するより、複数のEAを動かした方が安定しているのがわかります。つまり『勝てる本物のEA』ではなく『勝てる本物のポートフォリオ』を考えることに集中した方がよさそうです。

FX自動売買は『個人競技』ではなく『チームスポーツ』

なぜ、1つの『勝てる本物のEA』にこだわってしまうのでしょうか。それは「裁量トレード」と「FX自動売買」の手法の違いによるものです。

裁量トレードの場合

裁量トレードとは、自分で売買タイミングを判断するトレード手法。すべての取引を手動でおこなうため、24時間取引することは不可能。

また、1人の人間ができる範囲のトレードしかできないため、複数の手法を同時に行うということも難しい。そして、チャートの分析力が重要となります。為替相場の動きを読むために、経済的な知識も必要。

よって裁量トレードは、個人スポーツにちかいと言えるでしょう。

「裁量トレード=個人競技」
・マラソン
・水泳
・テニス
・柔道

FX自動売買の場合

いっぽう、FX自動売買は、あらかじめ設定した売買ルールに従って機械的にトレードしていく手法。FX自動売買のためのツールとして、最も使われているのがEA(エキスパートアドバイザー)です。

トレード結果は、EAの質や相場との相性で決まります。裁量トレードとちがい、24時間トレードが可能。さらに複数手法を同時に実行することができる。

なのでFX自動売買は、チームスポーツ的な取引スタイルと言えます。

「FX自動売買=チームスポーツ」
・サッカー
・ラグビー
・野球
・バスケットボール

こういった違いから、裁量トレードとFX自動売買では求められるスキルも変わってきます。

  • 裁量トレード:個人のトレードスキル
  • FX自動売買:複数EAを運用するマネージメントスキル

FX自動売買の初心者は、ほとんどの人が裁量トレードの考え方で、トレードスキルの向上を目指してしまいます。

なので『勝てる本物のEA』という言葉を追い求めてしまいす。ですが、FX自動売買で必要なのは『安定したポートフォリオ』を作るマネージメントスキルです。

もしかしたら反論を持つ方がいるかもしれませんが、最終的に利益を手にしたいのであれば、この考え方は大きく間違っていないはずです。

この記事は、アナタに気づきを与えられれば幸いです。

まとめ:FX自動売買で勝てる本物のEAなど存在しない

記事のポイントをまとめます。

  • 『勝てる本物のEA』なんて存在しない
  • 短期的に利益大=長期的なリスク大
  • 1つのEAではなく複数のEAでポートフォリオ運用がベスト
  • FX自動売買はチームスポーツ、あなたは監督である

こんな感じ。

なお、当ブログ「海外ノマド まざ」では無料・有料あわせて100以上のEAを紹介しています。

当たり前ですが、FX自動売買するには、EAが必要です。複数EAを購入すると十数万円かかってしまうので、初心者の方は無料EAサイトから始めてみるのが良いかなと思います。
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